皆さん、まだ中華製エンジンを「安かろう悪かろう」製品だと決めつけてはいませんか?
たしかに、未だにそんなメーカーも(かなりの数)存在していることは否定しませんが、ちゃんとした工場もあることは間違いない事実です。
だって、今買えるホンダのスーパーカブって、完全な中華製ですからね。
自動車業界にいらっしゃる方なら当然お解りだと思いますが、中国ホンダは組み立てるだけの工場ですから、各パーツは傘下の(中国国内の)下請け工場で作っているわけで、実は1990年代以降から国産カブもそんな中華製パーツが使われ始めたという話です。
あなたの乗っているカブも日本で組み立てられているだけで、中国製のパーツが使われているんですよ。
数ある中華エンジンメーカーの中でも、とりわけ高評価のリーファン社製横置き125ccエンジンで、国内にはあまり入ってない遠心クラッチの前踏み四速ロータリーです。
本家のカブと同じシフトパターンなので、カブに載せると全く違和感なく走ることが出来ます。
国内に多く流通しているエンジンは遠クラでもリターン式の四速ミッションなので、ローとセカンドの間にニュートラルがあり、つま先でかき上げて加速する乗り方はカブだと非常に乗りにくく、慣れが必要になってきますからねー。
このカタログを初めて見た時は、完全に二次クラッチだと思ったんですがねー。
サンプルを一台輸入して、それを分解してみて大笑いしました。
ダミーのボルトを堂々と着けているあたり、さすが中国人です。「騙されるヤツはダメなヤツ」というお国柄ですからね。
信用とか誠意とかいう概念は持ち合わせていません。
全然読めません(笑)。
120ccくらいなんですね。52.4mm×55.5mmとは、かなりのロングストロークですね。
ちなみに、旧カブ系エンジンの最大排気量だった100EXは、50mm×49.5mmの97cc。
現行のJA10は50mm×55.6mmの109ccです。
インジェクションのJA10が最大出力 6.0kW/7,500rpm、最大トルク8.4Nm/5,500rpmなのに対して、このリーファン製のキャブ仕様エンジンは最大出力5.8kW/7,500rpm、最大トルク8.5Nm/5,000rpmですから、数字で見ても低中速型のエンジンであるということは解りますね。
街乗りが楽しいエンジンだと思います。
一見、二次クラッチに見えるこのボルトは実はダミー。笑っちゃいます。LIFANと書いてある丸いカバーを外すと本物の調整ボルトが出てきます(爆笑)。
しかもこのクラッチ側のケースカバーが無駄に大きく張り出し過ぎているため、このままでは干渉してステップを取り付けることが出来ません。
はい、こんな感じです。完全パクリエンジンなので、ホンダ純正のクラッチ側カバーが何の苦労もなく着きます。
見栄を張って大きく張り出したカバーは無駄にオイルが多く入るだけのことでした。
ホンダ純正ではシリンダー左側にあるカムチェーンで歯車を回してシャフトで右側のオイルポンプを回すという手法をOHVからOHCに変わったばかりの時代から続けていますが、このように右側のオイルポンプ本体に駆動ギアをかぶせたほうが間違いなく無駄が無いと思います。JA07なんかは、よくオイルポンプの駆動ギアのトラブルで焼き付くんですよ(涙)。
基本的にはホンダのスーパーカブと同じですが、排気量が125ccもある空冷エンジンであるということで、オイル管理はしっかりとやって下さい。
50ccや90ccよりも熱膨張が激しい訳ですし、もちろん加工技術も日本製より若干劣ると考えればメンテナンスフリーではないことは解ると思います。
オイル交換は必ず2,000kmで行って下さい。
ホンダのスーパーカブも2,000kmを推奨しています。たとえホンダ製であっても通年4,000kmくらいオイル交換の間隔を開けるとクランクベアリングが逝ってしまいますからね。
オイルは高性能な物は必要ありません。
ホンダ純正でいえばG1レベルで十分です。私はホームセンターで売ってる特売のオイルを使っています。
高性能オイルはサラサラ過ぎてオイルにじみの原因になるので、粘度の高いオイルを入れてやって下さい。
普通に調子良く走っていてもハンターカブやMD90のレベルくらいオイルが減りますから、やはり500km毎くらいでオイル量のチェックはしたほうが無難です。
あんまり神経質に「慣らし運転」をする必要はないと思いますが、新品のうちはローで引っ張りまわしたりしないほうがいいと思います。
ビッグトルクを活かして高めのギア比(17インチ車はリア36T、14インチ車はリア30Tがお薦め)で走れるので、慣らし運転でも十分に普通に走れるはずですが。